2012年 03月 01日
近江商人のまち・ひな人形めぐり②
今回は五個荘近江商人屋敷「藤井彦四郎邸」の雛人形などをご紹介します。
ここは前回ご紹介しました外村茂邸などが建っている場所から、距離的には結構離れています。
観光案内所で貰った地図(略図)だと近く思えたんですけれど、歩けどもなかなか辿り着かないといった感じでした。
あまりにも雪の降り方が激しかったため、途中、「近江商人博物館」へ寄ってからの訪問と相成りました。
やっと辿り着いたときは「やれやれ」と思いましたが、門前に立ったところで疲労感は吹っ飛びました。
続きでご覧にいれますが、ほかの近江商人屋敷とは明らかに造りが異なっていたからです。
さて、中に入ってから早速お雛様とご対面しましたが、画像のものなんと三連で飾られていました。
初めのうちは二連かな?と思いましたが、よく見ると中央にも一組飾られていたことに気づきました。
なんと豪奢な飾り方なんでしょうか・・・
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これが「藤井彦四郎邸」の門ですが、何とも洋風で驚きました。
事前のリサーチなしに訪問したから余計に驚いたのでしょうね。
他の近江商人屋敷は一様に和風の塀があって、そこから入ったものですから・・・
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雪は相変わらずの降り方で、上がりそうな気配がありません。
では、早速中に入ることにしましょう。
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玄関わきには他の近江商人屋敷と同じく、竹でできた器に飾られたお雛様が出迎えてくれました。
「滑りやすくなっていますから足元にお気をつけください」という優しい心遣いも・・・
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玄関に入って靴を脱ごうとしたら、目の前に素朴ながらも雅やかなお雛様が飾られていました。
竹を切って拵えた器の中に小さなお雛様が鎮座している姿は何とも愛らしく感じられました。
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そのお雛様を上から見たらこんな感じですね。
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廊下を進んでいくと、トップ画像のお雛様に続いて、次の間に飾られていたお雛様がこれです。
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ここは完全に様式で、広い空間が広がっていました。
他の近江商人屋敷にはないもので、この藤井彦四郎邸の豪華さがお分かりになることと思います。
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この洋間にもこのような可愛らしいお雛様が飾られていました。
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また、こういった感じのお雛様も・・・
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さて、冒頭のお雛様が飾られていた客殿から庭を見たところですが、これまた見事で広大な眺めが広がっていました。
係りの方から「どうぞ外へ出てお庭もご覧になってください」と声をかけられました。
折角ですので庭を一巡することにっしました。
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靴を履いて(あっ、玄関からここまで靴を持ってくる必要がありますよ)外へ出て振り返ると、長い縁側に圧倒されましたね。
24㎜相当の画角を持つレンズで撮影しても収まるものではありません。
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築山のあたりから藤井彦四郎邸を眺めたところです。
いやぁ、本当に広い庭園で、圧倒されっぱなしで下。
見事というか、凄い!!
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一巡して屋敷に近づいて一枚!!
堪能しました。
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敷地内の一角には「天秤の訓」(てんびんのおしえ)と書かれた台座に立つ、近江商人の像がありました。
昔はこのようにして近江商人が活躍したのですね。
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さて、そろそろ・・・と言うよりも、正午を過ぎてかなり時間が経ってしまいました。
豪奢な藤井彦四郎邸を辞すことにしましょう。
幸いにもお天気は回復して青空が見えてきましたので、帰路も楽しいものとなることでしょう。
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藤井彦四郎(1876-1956)は、近江商人の三代目藤井善助の次男として生まれ、後に分家して藤井糸店を創業しました。
当時、珍しかった人造絹糸や「小町糸」の発売、「スキー毛糸」の製造販売など時代を敏感にとらえて、一代で成功しました。
屋敷地には藤井彦四郎自身の構想で珍石・名木を配し、琵琶湖を模した池を中心に設けた池泉廻遊式の大庭園をはじめ、主屋、客殿、洋館、土蔵が建ち並んでいます。
(客殿・洋館は県指定文化財、庭園は市指定名勝、その他は国登録文化財)